心理療法 Psychotherapy
愛着再形成療法
愛着とは、主に乳幼児期における子どもと母親をはじめとする養育者との間で築かれる心理的な結びつきのことを言います。
この愛着が何らかの理由により健全に形成されないと、心や身体の発達に影響を及ぼす可能性があります。
大人になってからも心や身体、人間関係に障害を抱えることも多々あります。これを愛着障害と言います。
しっかりとしたカウンセリングで愛着障害の原因を探究し、退行催眠を使い、必要な愛着を再形成するのが愛着再形成療法です。
交流分析という心理学では、私たちは人生の早期に親とのかかわり方によって、すでに無意識のうちに、このように生きて、このように死んでいこう、という人生計画を心の奥底に書き込んでいると言われています。
それはまるで、映画や舞台の台本のように始まりがあり、中盤を経て、クライマックスへと向かうものであることから、「人生脚本」と呼ばれています。
大人になった私たちは自分の潜在意識の中に書き込まれた「人生脚本」がどんなものであるかを知りません。
しかし、誰もが知らず知らずのうちにこの「人生脚本」どおりに生きてしまうほど強力な脚本です。
多くの人が「幸せになりたい」「成功したい」「愛されたい」と願い、努力しながらもなかなか思い通りの人生を手に入れられないのは、顕在意識が向かっているベクトルの向きと、潜在意識が向かっている、この「人生脚本」の結末のへのベクトルの向きが違うからなのです。
私が開発した「愛着再形成療法」は、まずは、しっかりとカウンセリングをして、患者様の「人生脚本」を分析するところから始まります。
そして、1回のセッションごとに少しずつ「人生脚本」の結末に向かっているベクトルの向きをより幸せで健康、そして豊かに生きられる方向へとシフトしていきます。
たとえば、わずか1度ベクトルの向きをシフトさせたとしたら、すぐには何が変わったのか誰も、ご本人でさえもわかりません。
しかし、そのベクトルをすうーっと長く伸ばしてみると、たどり着く先は全く別の場所です。
この「愛着再形成療法」により、これまで数千人の方の人生脚本の結末を変えて来ました。
参考文献:『それは愛着障害のせいかもしれません』(大和出版)中野日出美著