起立性調節障害
症状
起立性調節障害(POTS)は、自律神経系の異常が原因で起こる状態で、主な症状には以下が含まれます
吐き気や胃腸の不調:消化器官も自律神経に影響されるため、不調が現れることがあります
立ち上がったときのめまいやふらつき:血圧や心拍数が急激に変化し、脳への血流が一時的に減少するためです。
動悸や心拍数の増加:特に立位で感じることが多く、心拍数が急激に上がります。
疲労感や集中力の低下:日常生活で疲れやすく、頭がぼんやりすることがあります。
原因
POTSの原因は一つに絞れませんが、以下が一般的な要因とされています:
ホルモンバランスの乱れ:思春期や女性の月経周期に関連する場合があります
自律神経系の異常:心拍数や血圧を調節する機能が乱れるため、立ち上がる際に血液が十分に脳に戻らなくなります。
感染症や外傷の後遺症:ウイルス感染や怪我をきっかけに発症する場合があります(例:COVID-19後症候群)。
血管の収縮機能の低下:血液が足元に溜まりやすくなり、心臓への血液の戻りが不十分になります。
治療法
治療は患者ごとの症状や原因に応じて異なりますが、以下の方法が効果的とされています。
非薬物療法
水分と塩分の摂取
- 十分な水分を取ることで血液量を増やし、立ちくらみを防ぎます。
- 塩分を適度に摂取することで血圧を安定させる効果があります。
圧迫ストッキングの使用
- 足の血液の滞留を防ぎ、心臓への血液循環を助けます。
定期的な運動
特に座位で行う運動や、徐々に強度を上げた運動が有効とされています。
薬物療法
心拍数を抑える薬や、血圧を維持する薬が用いられることもあります。
しかし、すべての患者に同様の効果があるわけではないため、治療は個々のケースに基づいて調整されるべきです。
生活習慣の改善
規則正しい生活と十分な睡眠が症状の軽減に役立ちます。長時間の立位を避ける、気分が悪くなったらすぐに座るといった工夫も重要です。
患者さんへのメッセージ
POTSは原因が多岐にわたり、治療には時間がかかることもありますが、適切な診断と治療法で症状をコントロールすることができます。早めに医師に相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。