手洗いが止まらない・鍵を何度も確認してしまう…。強迫性障害は意志の弱さではなく脳の疾患です。適切な治療で改善できます。
強迫性障害(OCD)とは
強迫性障害(OCD:Obsessive-Compulsive Disorder)は、不合理とわかっていながらも繰り返し頭に浮かぶ強迫観念と、その不安を打ち消すための強迫行為を繰り返す疾患です。自分でも「おかしい」とわかりながらやめられない辛さが特徴です。
主な症状
- 手洗いや消毒を何度も繰り返す(不潔恐怖)
- 鍵・ガス・電気のスイッチを何度も確認する
- 物の配置・対称性へのこだわり
- 暴力的・性的な考えが浮かんで消えない(強迫観念)
- 縁起への強いこだわり
- 確認行為に長時間かかり日常生活に支障が出る
- 強迫行為を止めようとすると強い不安が生じる
原因
脳内の神経回路(特に前頭葉・基底核・視床のループ)の機能異常と、セロトニンの働きの乱れが関与していると考えられています。遺伝的要因・ストレス・感染症(溶連菌感染後など)がきっかけになる場合もあります。
赤坂心療内科クリニックでの治療
薬物療法
SSRI(フルボキサミン・パロキセチンなど)が第一選択薬です。十分な用量を一定期間継続することが重要です。治療抵抗性の場合は抗精神病薬との併用も検討します。
カウンセリング・心理療法
曝露反応妨害法(ERP)が最も有効な心理療法です。不安を感じる場面にあえて向き合い(曝露)、強迫行為を行わずに不安が自然に下がるのを待つ(反応妨害)ことを繰り返し練習します。
生活習慣の改善
強迫行為を少しずつ短くする目標を立てること・家族への巻き込み(家族に確認させるなど)を減らすこと・リラクゼーション法の実践が助けになります。
強迫性障害のセルフチェック
次のような「考え(強迫観念)」と「行為(強迫行為)」がやめられず、時間や生活に支障が出ていないか確認してみましょう。
- 戸締まり・ガス・鍵を何度も確認してしまう
- 手洗いや消毒がやめられない
- 「汚れたかも」「間違えたかも」と不安が頭から離れない
- 不安を打ち消すために同じ動作を繰り返す
- 確認や手洗いに毎日多くの時間を取られている
「気にしすぎ」ではなく、確認や手洗いに1日1時間以上かかる・生活に支障が出ている場合は、強迫性障害として治療の対象になります。
よくあるご相談例
外来では、「鍵を閉めたか不安で何度も家に戻ってしまう」「手が荒れるほど手洗いがやめられない」「確認しないと不安で先に進めない」といったご相談をよくお聞きします。やめたくてもやめられず自分を責めてしまう方が多いですが、適切な治療で確認や手洗いの回数は減らしていけます。
よくある質問
Q. 意志が弱いから止められないのですか?
A. 強迫性障害は意志の問題ではなく、脳の機能異常による疾患です。「わかっているのに止められない」のがこの病気の特徴です。
Q. 治療にはどのくらいかかりますか?
A. 個人差がありますが、薬物療法と曝露反応妨害法を組み合わせることで多くの方が改善を実感できます。焦らず継続することが重要です。
Q. 家族はどう接すれば良いですか?
A. 強迫行為への巻き込みをできる限り減らすことが重要です。家族向けのサポートや関わり方のアドバイスも行っています。
Q. ただの心配性とどう違いますか?
心配性は日常の範囲ですが、強迫性障害は不安を打ち消す行為がやめられず、時間や生活に大きな支障が出ている点が異なります。
Q. どんな治療をしますか?
薬物療法(SSRIなど)と、認知行動療法の一つである曝露反応妨害法が中心です。不安な場面にあえて慣れ、確認行為を減らす練習を段階的に進めます。
Q. 受診の目安はありますか?
確認・手洗いなどに毎日多くの時間を取られている、やめたくてもやめられず生活に支障がある——そんなときはご相談ください。
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赤坂心療内科クリニックへのご相談・ご予約
強迫性障害(OCD)でお悩みの方は、一人で抱え込まずにご相談ください。
赤坂心療内科クリニックでは、丁寧な診察と患者さんに合った治療をご提案しています。
この記事の監修
赤坂心療内科クリニック 院長
宮本 せら紀(みやもと せらき)
医学博士・心療内科専門医・認定内科医・日本医師会認定産業医
日本大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院にて臨床研修。東京大学大学院にて医学博士号取得(ストレス防御・心身医学)。日本心身医学会・日本心療内科学会ほか所属。

