
運動とメンタルヘルスの深い関係
運動は「天然の抗うつ剤」とも呼ばれ、うつ病や不安障害の治療補助としても推奨されています。週に150分の運動で、うつ症状が30-50%軽減したとの研究結果もあります(参考文献1)。
【科学的根拠】運動が心に与える3つの効果
① 脳内物質の変化
セロトニン:気分を安定させる
BDNF(脳由来神経栄養因子):脳細胞の成長を促進
エンドルフィン:ストレスを軽減
② 認知機能の向上
記憶力アップ(海馬の体積増加)
集中力が持続しやすくなる
③ ストレス耐性の強化
コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌抑制
研究データ:
10分の軽い運動でも不安が軽減(参考文献2)
症状別・おすすめエクササイズ
症状 | おすすめ運動 | 効果 |
---|---|---|
うつ気分 | 早歩き・水泳 | セロトニン分泌増加 |
不安感 | ヨガ・太極拳 | 副交感神経を活性化 |
イライラ | ボクササイズ・ダンス | ストレス発散 |
不眠 | 夕方のストレッチ | 深部体温を調整 |
続けられる運動習慣の作り方
【初心者向け】3ステップ
- 超短時間から(例:1日5分のストレッチ)
- 「ながら運動」の活用(テレビを見ながら踏み台昇降)
- 記録をつける(カレンダーに〇印)
【挫折しないコツ】
× 「毎日30分」と完璧を目指す
○ 「週2回10分」から始める
5. 注意が必要なケース
- 持病がある方(医師に相談)
- 過度な運動は逆効果(適度な強度が重要)
- 運動だけでなく、カウンセリングも併用
6. まとめ:小さな一歩から始めよう
運動は心の健康への「最も手軽な投資」です。まずは好きな運動を1つ選び、無理のない範囲で始めてみましょう。
参考文献
- Schuch, F.B. et al. (2016). Exercise as a treatment for depression: A meta-analysis. Journal of Psychiatric Research.
DOI:10.1016/j.jpsychires.2016.07.023 - Anderson, E. et al. (2017). Effects of exercise on anxiety and depression disorders. Current Sports Medicine Reports.
DOI:10.1249/JSR.0000000000000305 - 日本運動療法学会 (2023). 運動処方ガイドライン.
https://www.jarm.org/guideline/