心療内科受診者数が20年で2倍以上に増加!背景と対策を専門医が徹底解説

【データで見る】心療内科受診の現状

受診者数の推移(厚労省データ)

年度受診者数(推定)増加率
2000約120万人
2010約190万人+58%
2020約280万人+133%

特徴的な傾向

  • 30-40代男性の受診率が特に増加(2000年比3.1倍)
  • 女性の更年期世代(45-55歳)**の受診が2.8倍に
  • 20代の学生・新社会人の受診が1.9倍増

出典:厚生労働省「患者調査」(2020年)

受診者急増の5大背景(社会環境編)

① 労働環境の激変

  • テレワークの弊害:在宅勤務者の68%が「孤独感」を訴える
  • ジョブ型雇用の普及:明確な成果基準がプレッシャーに
  • 24時間稼働社会:脳が休まる時間の減少

② 経済的不安定性の増大

  • 非正規雇用率の上昇(2000年26%→2020年38%)
  • 将来の年金不安がストレス要因に

③ SNS社会の影響

  • 比較ストレス:Instagram利用者はうつ症状リスクが1.7倍
  • 常時接続疲労:スマホ平均使用時間4.8時間/日

④ 家族構造の変化

  • 共働き世帯の増加(2000年44%→2020年66%)
  • 核家族化による相談相手の減少

⑤ パンデミックの影響

  • コロナ禍で「抑うつ症状」が2.1倍に増加
  • 生活リズムの乱れが長期化   

年代別・職業別で異なる傾向

【20代】

  • 新社会人症候群(4-6月の受診集中)
  • SNS疲れ
  • 就活ストレス

【30-40代】

  • 管理職ストレス
  • ワンオペ育児
  • 中間管理職の板挟み

【50代以上】

  • 介護疲れ
  • 老後不安
  • 定年うつ

職業別リスク

職業主なストレス要因
ITエンジニア納期プレッシャー・技術の陳腐化
医療従事者人員不足・倫理的重圧
営業職数字ノルマ・顧客クレーム
教職員保護者対応・多忙化

【企業レベル】
ストレスチェックの実質化

産業医との連携強化

心理的安全性の高い職場作り

【社会レベル】
メンタル休暇制度の普及

学校での感情教育の必修化

都市計画への癒し空間の導入

企業に求められる具体的対策
成功事例:A社の取り組み
メンタルヘルス研修:年4回義務化

ストレスチェック後フォロー:100%面談実施

休職者復帰プログラム:段階的復帰を支援

効果:3年でメンタル不調休職者を62%削減

個人で今日から始められる10の予防法

1:起床後15分の日光浴

2:1日1回の「没頭時間」作り

3:感謝日記(3つ書く)

4:腹式呼吸(1日5回×3セット)

5:週末の自然接触

6:趣味コミュニティへの参加

7:栄養バランス改善(オメガ3摂取)

8:デジタルデバイスの寝室禁止

9:週1回のセルフチェック

10:信頼できる相談相手の確保

受診のベストタイミング

【黄信号】相談を検討
不眠が1週間続く

趣味が楽しめない

イライラが収まらない

【赤信号】即受診が必要
死にたい思いが2週間続く

仕事に全く集中できない

日常生活(食事・入浴)が困難

未来に向けた提言

予防医療の推進:メンタル検診の保険適用を

職場環境改革:労働時間規制の厳格化

教育プログラム:小中高での感情教育必修化

社会全体の意識改革:メンタル不調=「弱さ」の偏見解消

参考文献
厚生労働省 (2023). 「令和4年 患者調査」.
https://x.gd/kEz9i

WHO (2023). Mental health and work.
https://x.gd/DN6zq

「もしかして」と思ったら、どうぞお気軽にご相談ください。心の不調は早期対応が何よりも大切です。

当院では、患者様一人ひとりに寄り添った診療を心がけております。保険診療対応で、初診の方も安心してご来院いただけます。

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