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夏と心の健康:なぜ夏にメンタルが不調に?
日本の夏は高温多湿で、体力だけでなく心の疲労も溜まりやすくなります。夜の寝苦しさ、食欲不振、生活リズムの乱れは、自律神経のバランスを崩し、メンタル不調を引き起こしやすくします【1】。
また、長期間の休暇や帰省、対人関係イベントが増えることで、ストレスが高まり、抑うつや不安が強まる方もいます。
夏のメンタル不調の主な症状
- 疲労感・倦怠感が抜けない
- 食欲低下・不眠
- 気分の落ち込み
- 集中力低下
- イライラや不安感が増加
心の「夏バテ」に気付かずに生活を続けてしまうことで、症状が悪化する場合もあります。早めにケアすることが大切です。
原因と背景‐なぜ「心の夏バテ」が起こるのか
- 自律神経の乱れ(暑さ、湿度、気圧の影響)
- 睡眠障害(熱帯夜や生活リズムの変化)
- 社会的ストレス(イベント・人間関係の負担)
- 栄養バランスの崩れ(食欲不振)
が挙げられます。
自律神経とメンタルヘルスの関連性は海外論文でも数多く示されており、特に暑熱環境は心理的ストレス増加と関連します【2】。
セルフケアの工夫と対策
- 規則正しい生活リズムを意識しましょう。
- 暑さ対策や室温管理(エアコン・扇風機の利用)
- 十分な水分とバランスの良い食事
- 無理な予定を控え、休養日を確保
- 睡眠前のスマホやパソコンの使用を控える
- 軽い運動や深呼吸などリラックス法の実践
受診やカウンセリングのすすめ
セルフケアで改善が見られない場合は、心療内科やカウンセリングの受診をお勧めします。
早めの相談が早期回復につながります。無理をせず、専門家のサポートを受けましょう。
医師より読者へのメッセージ
夏の心の不調は、決して「気のせい」ではありません。
心身ともに休養が必要なサインです。無理せず、自分を大切にしてください。
不安なときは、ひとりで抱えず、専門家へご相談ください。
みなさまの健やかな夏を願っています。
文献・引用
【1】Oka, H., et al. (2018). “Relationship between lifestyle habits and mental health in Japanese workers during the summer season.” Ind Health.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30165361/
【2】Akerstedt, T. (2010). “How variation in work hours is associated with sleep, fatigue, shift work disorder, and health.” Sleep Med Clin.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20970080/