最近「何となく疲れる」と感じていませんか？
「最近なんだか疲れやすい」「休んでも回復しない」そんな状態が続いていませんか？
原因がはっきりしない疲労感が続く場合、ストレス性疲労が関係している可能性があります。
本記事では、心療内科の立場から、ストレス性疲労のサインとその対処法について詳しく解説します。
ストレス性疲労とは？医学的な定義と特徴
ストレス性疲労は、心身へのストレスが蓄積されることで、体のエネルギーが消耗され、休養を取っても回復しにくくなる状態です。
一般的に「慢性疲労」と混同されがちですが、心理的な負担や精神的ストレスが主要な原因です。
ストレス性疲労を疑う主なサイン
- 十分寝ても疲れがとれない
- 集中力の低下・物忘れ
- 朝起きるのがつらい
- イライラや不安感が強くなる
- 動悸や胃腸の不調（自律神経の乱れ）
- 好きなことに興味がわかなくなる（アパシー症状）
これらは単なる疲労ではなく、心身がSOSを出しているサインかもしれません。
なぜストレスが疲労を引き起こすのか？脳と身体のメカニズム
慢性的なストレスは、脳の視床下部－下垂体－副腎皮質系（HPA軸）に影響を与え、コルチゾール（ストレスホルモン）の過剰分泌を引き起こします。
これが長期間続くと、自律神経や免疫系にも負担がかかり、回復力が低下し「理由のない疲労感」として現れます。
参考文献:
Brosschot, J. F., Pieper, S., & Thayer, J. F. (2005). Expanding stress theory: Prolonged activation and perseverative cognition. Psychosomatic Medicine, 67(5), 706–711.
PubMed Link
ストレス性疲労の対処法とセルフケア
心と体を整えるための具体的な方法：
- マインドフルネス瞑想
ストレスを軽減し、心の疲れを和らげる効果が実証されています。 - 睡眠環境の見直し
夜のスマホ使用を控え、決まった時間に寝る習慣を。 - 軽い運動（ウォーキングやストレッチ）
セロトニン分泌を促し、気分の安定に寄与。 - 栄養バランスの取れた食事
ビタミンB群、鉄分、マグネシウムなどを積極的に摂取。
専門的なサポートが必要な場合：心療内科でできること
「何をしても疲れがとれない」「気分の落ち込みが続く」と感じたら、心療内科の受診も選択肢です。
心療内科では、
- 正確な診断（抑うつや自律神経失調症との鑑別）
- CBT（認知行動療法）や薬物療法
- 必要に応じてカウンセリングの紹介
など、ストレスに対する総合的なケアを受けられます。
疲れの裏にストレスあり。心と体を整える第一歩を
「理由もなく疲れる」という感覚の背後には、見過ごされがちなストレス性疲労が潜んでいることがあります。
自己ケアと並行して、専門機関の力を借りながら、自分のペースで回復を目指しましょう。
心身の健康は、あなたの人生の土台です。