
はじめに:職場に行くのが怖くなるのは異常じゃない
朝起きて「今日、職場に行きたくない」と感じる。
そんな自分を責めたり、「甘えているだけ」と考えていませんか?
実は、職場への恐怖や強いストレスは、心のSOSかもしれません。
早めに気づき、適切な対処を取ることが、心の健康を守る第一歩です。
「怖い」「行きたくない」サインに気づこう
こんなサインが出ていたら注意が必要です。
- 出勤前に動悸や胃痛がする
- 朝、布団から起き上がれない
- 職場に近づくと強い不安に襲われる
- 頭痛やめまい、吐き気が続く
- 些細なことで涙が出る、イライラする
これらはストレスによる心身反応であり、放置するとうつ病や適応障害に進行することがあります。
職場ストレスが心と体に与える影響とは
慢性的なストレスは、脳の働きを低下させ、神経系やホルモンバランスにも悪影響を与えます。
研究によれば、長期間の仕事ストレスは心疾患や免疫低下にも関与するとされています(Kivimäki et al., 2012)。
▶︎ 参考文献:Work stress and risk of cardiovascular mortality.
つまり、単なる「気分の問題」ではなく、身体的健康リスクもある重大な課題なのです。
心を守るためにできること
■ セルフケアを取り入れる
- 十分な睡眠を確保する
- 軽い運動や深呼吸を習慣化する
- 休日は仕事を完全にシャットアウトする
セルフケアはストレス耐性を高め、自己肯定感を支える基本です。
■ 信頼できる人に相談する
一人で抱え込むと、ますます悪循環に陥りやすくなります。
家族、友人、場合によっては職場の上司や人事担当者に相談することも選択肢です。
■ 心療内科やカウンセリングを活用する
- 心身の不調が続く場合は、心療内科への通院を考えましょう。
- 医学的評価とともに、認知行動療法(CBT)などの心理療法も有効です。
(Hofmann et al., 2012:認知行動療法の効果に関するメタ分析 ▶︎ 参考文献リンク)
心療内科は、「病気になる前」に利用してもいい場所です。
「なんだか辛い」と思った時点での受診をおすすめします。
まとめ:一人で抱えず、専門家と一緒に心を守ろう
職場に行くのが怖い、辛いと感じたら、あなたの心が限界を迎えつつあるサインかもしれません。
早めに適切なサポートを受けることで、再び笑顔で過ごせる日々を取り戻すことができます。
「まだ大丈夫」よりも「今、助けを求めよう」
心療内科やカウンセリングを、ぜひ頼ってください。
【参考文献(PubMedより)】
- Kivimäki M, Nyberg ST, et al. (2012). “Work stress and risk of cardiovascular mortality: prospective cohort study.”
▶︎ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22431513/ - Hofmann SG, Asnaani A, et al. (2012). “The Efficacy of Cognitive Behavioral Therapy: A Review of Meta-analyses.”
▶︎ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22032742/