
みぞおちの痛み・胃もたれ・食後の不快感…
検査では異常が見つからないのに、つらい症状だけが続く「機能性ディスペプシア(FD)」でお悩みではありませんか?
近年、機能性ディスペプシアは単なる「胃の病気」だけでなく、ストレスや心の状態が大きく関わる病気だとわかってきました。薬物療法だけで改善しない場合、心療内科での総合的なアプローチがとても重要です。
機能性ディスペプシアとは?
FDは、「上腹部の不快感や痛み」「食後の胃もたれ」などが6ヶ月以上続くにもかかわらず、胃カメラや血液検査などで異常が見つからない疾患です。
主な症状:みぞおちの痛み/焼けるような感覚、早期満腹感、胃もたれ、膨満感など
心療内科での治療アプローチ
- ストレスマネジメントとカウンセリング
心因性の要素が強いFDは、日常生活のストレスや心理的要因の軽減が大きな効果を生みます。
認知行動療法(CBT)やリラクゼーション法
ストレスコーピング指導
- 薬物療法
酸分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)
胃運動を改善する薬(消化管運動促進薬)
抗うつ薬や抗不安薬(SSRI、SNRI)が有効な場合も
- 生活習慣指導
睡眠、食事、運動など日常生活全体を見直すサポート
早食いや暴飲暴食を避ける指導
- 補助療法
漢方薬やヨガ・呼吸法などの補完的手法
なぜ心療内科なのか?
身体症状だけでなく「心と身体のつながり」に着目した治療は、再発予防も含めた根本的な改善につながります。
「胃薬を続けてもよくならない」「ストレスと症状が連動している」と感じたら、心療内科での診察・カウンセリングがおすすめです。
医師からのメッセージ
「機能性ディスペプシアのつらさは“我慢”するものではありません。お薬に加え、ストレスへの対応やカウンセリングによる心理的ケアも大切です。一人で悩まず専門医にぜひご相談ください。」
参考文献
Talley NJ. Functional dyspepsia: diagnosis and management.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22212744/
“Psychological therapies, especially cognitive behavioral therapy, are effective in managing FD.”
(認知行動療法などの心理的アプローチがFDの管理に有効である。)
Van Oudenhove L, et al. Psychological interventions in functional dyspepsia.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22122637/
“A biopsychosocial approach including medication and psychological support can improve outcomes in FD.”
(薬だけでなく心理的サポートを含む多面的アプローチが重要とされる。)