【はじめに】
低気圧が近づくと「頭がズキズキする」「体が重い」と感じる方は、気象病（天気痛）の可能性があります。日本人の約1,000万人が悩んでいると推定され（※1）、特に自律神経が敏感な方に症状が出やすい特徴があります。
【気象病の主な症状】
✓ 頭痛（片頭痛のような痛み）
✓ めまい・ふらつき
✓ 倦怠感・意欲低下
✓ 古傷の痛み
✓ 睡眠リズムの乱れ
【医学的メカニズム】
内耳の気圧センサー：内耳が気圧変化を感知し、脳に過剰な信号を送る（※2）
自律神経の乱れ：交感神経が優位になり、血管収縮が起こる
ヒスタミン放出：気圧低下でマスト細胞からヒスタミンが分泌され、炎症反応を誘発
【心療内科の4段階アプローチ】
評価：頭痛ダイアリーによる症状記録
薬物療法：漢方薬（五苓散など）や抗ヒスタミン薬
自律神経訓練：バイオフィードバック療法
生活指導：気圧変化に強い体作り
【症例詳細】
症例A（38歳女性・事務職）
・症状：低気圧時に激しい頭痛と吐き気
・治療：五苓散＋内耳マッサージ指導
・経過：3ヶ月で症状発現率60%減少
症例B（52歳男性・営業職）
・症状：気圧変化時のめまいと倦怠感
・治療：自律神経訓練＋鉄剤補充
・経過：6週間で業務継続可能に
【セルフケアのコツ】
・耳マッサージ：耳周辺の血流改善
・水分補給：1日1.5Lを目安に
・就寝1時間前のスマホ禁止：睡眠の質向上
【おわりに】
「頭痛やだるさに振り回される日々から、天気に左右されない生活へ。赤坂心療内科クリニック』では、単に症状を抑えるだけでなく、あなたのライフスタイルに合わせた持続可能な対策をお伝えしています。
引用文献
※1 日本頭痛学会 (2023)
“気象病の疫学調査”
https://www.jhs.org.jp/weather_pain
※2 Mukamal KJ, et al. (2022)
“Atmospheric pressure and migraine”
Neurology 98(15):e1545-e1555
https://doi.org/10.1212/WNL.0000000000200032