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はじめに:涙を流すことは恥ずかしいこと?
「泣くのは弱いから」「涙は見せたくない」…そんな風に思ったことのある方も多いでしょう。しかし、涙を流すことは私たちの心と身体にとって、とても大切なデトックス(解毒)作用があることが科学的にも分かっています。
涙のデトックス効果とは
涙には感情を整理しストレスを軽減する効果があります。
泣くことで脳内のストレスホルモン(コルチゾール)が低下し、リラックスをもたらす「オキシトシン」や「エンドルフィン」が分泌されることが医学的な研究で示されています。
ストレス・不安・うつ症状と涙
ストレスや不安、うつ症状のサインとして涙もろくなる、涙が出なくなるという変化が現れることがあります。
過度な我慢は逆に心身の負担を増やし、うつ状態の悪化や自律神経の乱れを引き起こすリスクも。
無理せず涙を流し、そのことで自分のこころを解放してあげることは実はとても健康的な自己管理方法です。
体験談:30代女性Yさんの場合
「仕事のストレスで夜眠れず、つらくてたまらなかった日。ふとテレビで感動的な映画を観ながら泣いたら、嘘のように気持ちが軽くなりました。その後、勇気を出して心療内科を受診し、徐々に前向きな気持ちを取り戻すことができました。」
Q&A:涙と心の健康
Q:涙を我慢しすぎるとどうなりますか?
A:涙を我慢し続けると、心の負担が蓄積し不眠や頭痛、食欲不振、さらにはうつ症状や自律神経失調症のリスクが高まります。
Q:泣くことで心療内科に行く必要はなくなりますか?
A:一時的な感情の整理には効果がありますが、涙が止まらない・慢性的な抑うつ感が続く場合は、専門家による診断・治療が必要です。
心療内科・カウンセリングを受けることを勧める理由】
どんなに涙を流しても、つらい気持ちや不安が繰り返される——
そのような時には、心療内科やカウンセリングに頼ることは決して恥ずかしいことではありません。むしろ「健康への一歩」として積極的に受診・相談することをお勧めします。
医師からのメッセージ
涙は心のSOSの一つ。
我慢せず、つらい時は涙に任せてあげてください。
必要な時はどうぞ、私たち専門家に頼ってください。
信頼できる引用文献
- Vingerhoets, A. J. J. M., et al. “Why Only Humans Weep: Unravelling the Mysteries of Tears.” Am J Med Sci, 2013.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24753944/ - Rottenberg, J., et al. “Is Crying Beneficial?” Curr Dir Psychol Sci, 2008.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20428404/