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不眠症は「がんばりすぎ」のサインかも?
眠りたいのに眠れない、夜中に何度も目が覚める…。そんな状態が続いているなら、それは一時的なストレスではなく「不眠症」かもしれません。不眠は心身に影響を及ぼすため、早期の対応がとても大切です。
不眠の主な原因とは?
●精神的ストレス(仕事・家庭・人間関係)
●生活リズムの乱れ
●カフェイン・アルコールの過剰摂取
●加齢による生理的変化
●不安障害やうつ病などの精神疾患
参考文献:Morin CM, Benca R. Chronic insomnia. Lancet. 2012;379(9821):1129-1141.
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薬に頼る前にできるセルフケア
1. 就寝・起床時間を一定に保つ
体内時計を整えるため、休日も同じ時間に起きることを意識しましょう。
2. 寝室の環境を整える
音・光・温度・湿度など、五感に優しい空間にすることで入眠しやすくなります。
3. 寝る前のスマホはNG
ブルーライトはメラトニンの分泌を妨げ、眠りを浅くしてしまいます。
4. リラクゼーション法を取り入れる
深呼吸・軽いストレッチ・アロマなどが効果的です。
5. CBT-I(認知行動療法)を試す
科学的根拠に基づいた治療法で、薬に頼らずに不眠を改善できる有力な方法です。
参考文献:Edinger JD et al. Cognitive behavioral therapy for insomnia: A systematic review and meta-analysis. Sleep. 2021;44(11):zsab106.
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セルフケアで改善しない場合は心療内科へ
セルフケアを継続しても不眠が改善しない場合は、心療内科や専門医を受診しましょう。睡眠障害の背景には、うつ病・不安障害・PTSDなどが隠れているケースもあります。カウンセリングや必要に応じた薬物療法によって、回復をサポートします。
まとめ
不眠症は、「薬を飲むしかない」と思われがちですが、まずは生活習慣の見直しやセルフケアで十分に改善が期待できます。とはいえ、つらい夜が続くと心が折れそうになることもあるでしょう。そんなときは、無理をせず専門医に相談することが大切です。
医師からのメッセージ
「眠れない夜」は、決して一人だけの問題ではありません。
眠れないことに罪悪感を感じる必要はありません。大切なのは、「眠れない自分」を責めずに、ゆっくりと心と体に向き合うこと。
薬に頼る前にできることはたくさんあります。それでもつらい時は、私たち専門医がしっかりとサポートしますので、どうか一人で抱え込まないでください。