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マスクを外すのが怖い…それって普通?
「外ではもうマスクをしていない人も増えてきたけど、自分はなかなか外せない」「外した瞬間、人の目が気になる」——こんなふうに感じる人が、実は増えています。
このような不安は、コロナ禍によって長期間マスク生活を続けた多くの人にとって“普通の反応”ともいえます。
“顔見せストレス”とは何か
“顔見せストレス”とは、マスクを外すことに対して不安や緊張、恥ずかしさを強く感じてしまう心理的な状態のことです。
特に、人と接する機会が多い仕事や学生生活を送っている人に見られがちで、自分の顔や表情が人にどう思われるかに過敏になってしまいます。
なぜ顔を出すのが不安になるのか ― 心理的メカニズム
マスクは長期間、私たちに「顔を隠す」という安心感を与えていました。
この状態が長く続くと、自分の容姿への過剰な意識や対人評価への恐怖が強化されやすくなります。
また、**社会不安障害(SAD)**との関連も指摘されています。
✅ PubMed参考文献:
Aderka IM, et al. Social anxiety disorder and face mask usage: A COVID-era phenomenon. Psychol Med. 2021.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33934868/
顔見せストレスがもたらす影響
このストレスが続くと、以下のような状態に陥ることがあります。
- 人前に出るのが億劫になる
- 無意識に外出を避ける
- 自分に対する否定的な感情が強まる
- 表情のコントロールができなくなる
その結果、日常生活に支障が出たり、うつ状態や適応障害を引き起こすこともあります。
自分らしさを取り戻すために
少しずつマスクを外す練習をしてみる(例:近所の散歩中だけ外す)
自分を責めない・否定しない
SNSや鏡で自分の顔に慣れる
表情筋のトレーニングも効果的
心療内科でできること
「顔を出すのが不安」「誰にも相談できない」という時は、心療内科での相談が大きな助けになります。
- 思考のクセに気づく認知行動療法(CBT)
- 必要に応じた薬物療法
- 自己肯定感を高めるカウンセリング
治療によって「顔を見せる不安」が軽減し、社会生活に前向きに戻れる方がたくさんいます。
自分を責めないでください
マスク生活が長かったのは、あなたのせいではありません。
「顔見せストレス」は、誰もが経験し得る“心の負担”です。
どうか一人で抱え込まず、少し勇気を出して専門家に相談してみてください。
「マスクを外すのが不安」と感じるあなたは、決して弱くありません。これは心が発する正直なサインです。無理に“普通”を装わず、あなたの心の声を大切にしてください。必要なサポートは、いつでも私たちが一緒に考えます。