真面目で責任感が強い人ほど注意。適応障害のリスク

「仕事も家庭もちゃんとこなしているのに、最近すぐに涙が出る」
「朝になると吐き気がして出社できない…でもサボっているわけじゃない」
——そんな不調の背景には、適応障害が潜んでいるかもしれません。
特に、真面目で責任感が強い人ほど陥りやすいこの状態について、症状・原因・対処法をわかりやすく解説します。

「真面目さ」がリスクになることもある

一見ポジティブに聞こえる「真面目」「責任感が強い」「努力家」。
でも、その性質が“無理を続けてしまう危険性”をはらんでいること、ご存じですか?

✔ 周囲の期待を裏切りたくない
✔ 「自分が頑張らなきゃ」と抱え込んでしまう
✔ 弱音を吐けない
こうした傾向は、心が悲鳴を上げていても気づきにくいという落とし穴があります。

適応障害ってどんな病気?

適応障害とは、環境の変化やストレスに心と体がうまく対応できなくなる状態です。
たとえば、人事異動、結婚、離婚、家庭内トラブルなどが引き金となることも。

📖 参考文献
Zelviene P, Kazlauskas E. Adjustment disorder: current perspectives. Neuropsychiatr Dis Treat. 2018;14:375–381.
PubMedリンク

よくある症状とチェックポイント

  • 気分の落ち込み
  • イライラや焦燥感
  • 食欲不振や睡眠障害
  • 出勤・登校前の強い不安
  • 自責感や涙もろさ

これらは一過性のストレス反応に見えることもありますが、2週間以上続く場合は注意が必要です。

なぜ責任感の強い人ほどなりやすいのか

責任感が強い人は、

  • 周囲に迷惑をかけまいと無理をしがち
  • 自分の不調を「気のせい」と押し込めてしまう
  • 完璧を求めすぎて、自分に厳しくなりすぎる

これらが重なり、気づいたときには限界を超えているというケースが多く見られます。

📖 参考文献
Casey P, Bailey S. Adjustment disorders: the state of the art. World Psychiatry. 2011 Oct;10(3):11–18.
PubMedリンク

心療内科での診断とサポート内容

「まだ我慢できるし」「時間が経てば元に戻るかも」——そう思って放置していませんか?

心療内科では:

  • 丁寧なヒアリングと心理テストでの評価
  • カウンセリングによるストレスマネジメント
  • 必要に応じた短期間の薬物療法
  • 会社や学校との連携による環境調整サポート

を行い、心の回復だけでなく再発予防も含めて支援します。

放っておくとどうなる?

適応障害を放置してしまうと、うつ病や不安障害に進行してしまうことがあります
また、「自己肯定感の低下」や「人間関係の悪化」を招き、長期離職や引きこもり状態になることも

早期に相談することで、短期間での回復が見込めるのがこの病気の特徴です。

がんばりすぎる前に、頼ってください

真面目で頑張り屋さんほど、「自分が弱いのでは」と思ってしまいがち。
でもそれは**“性格のせい”ではなく、“ストレスとの関わり方”の問題**です。

あなたのその頑張りは、十分すぎるほど伝わっています。
だからこそ、心を守るための一歩を、今、踏み出してみてください。

医師の言葉

真面目であること、責任感があることはあなたの素敵な強みです。
でも、「頼ること」も立派な選択。ひとりで抱え込まず、一緒に心のケアをしていきましょう。

Translate »