メンタル不調の時、SNSで絶対検索してはいけない言葉リスト

はじめに:その検索が、あなたをもっと疲れさせることがある

メンタルが落ちているとき、SNS検索は「今すぐ安心したい」という気持ちを一瞬、満たしてくれるかもしれません。けれど、アルゴリズムはあなたが長く留まるコンテンツを優先表示します。結果として、刺激が強い投稿、極端な意見、比較をあおる画像やハッシュタグにさらされ、気づかないうちに心がすり減る——これが「ドゥームスクロール」です。

心療内科の外来でも、「夜中にSNSで検索して眠れなくなった」「不安が増幅した」という相談は少なくありません。今日は、避けたい検索カテゴリと、代わりに役立つ検索・行動のヒントをお伝えします。

SNSアルゴリズムとメンタルヘルス:エコーチェンバーのしくみ

  • エコーチェンバー/フィルターバブル
    • 似た投稿ばかりが増幅し、視野が狭まる現象。メンタル不調時は偏りが強化されやすい。
  • ドゥームスクロール
    • 不安や怒りを刺激する情報を延々と見続け、睡眠や集中力が低下。
  • SNS依存とデジタルウェルビーイング
    • 「通知」「未読」「おすすめ」が行動を強化。ミュート・時間制限・夜間モードで環境調整を。

検索しない方がよい言葉「カテゴリ」リスト(伏せて説明します)

  1. 自分や他者を傷つける直接表現や、その方法を示唆する投稿
  2. 極端なダイエット・摂食行動を称賛/共有するハッシュタグ群
  3. 医療者の診断を断定するような自己診断キーワード(例:「〇〇 確定」「〇〇 テスト 一発」など)
  4. 誹謗中傷・炎上追跡・過度なゴシップ
  5. 容姿・年収・学歴などの過度な比較を促すランキング/タグ
  6. 寝る前の刺激が強いニュースや陰謀論的キーワード
  7. 「今すぐ効く」「劇的に治る」など過剰な宣伝・医療広告
  8. 依存症を擬似的に肯定・美化するコミュニティ用語

ポイント

  • これらはアルゴリズム上、短期的な「快/強い刺激」を与えやすく、結果的に不安・抑うつ・自己否定・衝動性を悪化させます。
  • ミュート・ブロック・「興味なし」学習を積極的に使い、タイムライン設計を自分の味方に。

実用:ミュート/非表示のコツ

  • 共通
    • ミュートワードに「具体名」「俗語」「ハッシュタグ」「絵文字」をセットで登録
    • 寝る前2時間はアプリ制限(iOS/Androidのスクリーンタイム)
    • フォロー整理:一次情報・公的機関・医療機関中心に
  • X(旧Twitter)
    • 「設定>プライバシーと安全>ミュートとブロック>ミュートするキーワード」
    • 「センシティブな内容を表示しない」をオン
  • Instagram
    • 発見タブの「興味なし」を学習させる、特定タグをミュート
  • YouTube
    • 三点メニューから「興味なし」「チャンネルをおすすめしない」
    • 自動再生オフ、キーワードを検索履歴から削除
  • TikTok
    • 長押しで「興味なし」、視聴時間管理、夜間モード

代わりに検索したい安全な言葉(リプレイス・キーワード)

  • 「相談窓口 メンタル」「こころの健康 公的機関」
  • 「睡眠衛生 コツ」「不安 対処 認知行動療法」
  • 「心療内科 初診 流れ」「カウンセリング 予約 オンライン」
  • 「産業医 相談」「EAP 使い方」「復職 支援 プログラム(リワーク)」
  • 「マインドフルネス 呼吸法」「ストレス マネジメント 仕事」

体験談:Aさん(30代・会社員)の場合

「寝つけなくて、布団の中でSNS検索を始めると、気づけば2時間経っていることも。『自分はダメだ』と思う投稿ばかり出てきて、翌朝は頭が重い……そんな日が続きました。思い切って心療内科を受診。カウンセラーと一緒に“トリガー”になりやすいジャンルを洗い出し、ミュート設定と睡眠のルーティンを作成しました。週1回のカウンセリングでは、認知行動療法で『自動思考の書き換え』を練習。2週間で入眠が安定し、3か月後には“検索しない”ことが自然になっていました。」

ポイント

  • 受診=薬だけではありません。行動療法・睡眠衛生・環境調整が中心になることも多いです。

受診・相談の目安(レッドフラッグ)

  • 2週間以上、気分の落ち込みや興味の低下が続く
  • 寝つき/早朝覚醒が増え、日中の集中力が持たない
  • 食欲の大きな変化、体重変動
  • 仕事・学業・家事に支障が出ている
  • 不安やパニックの発作、動悸・息苦しさが繰り返す
  • 漠然と「消えたい」と感じる頻度が増えた
  • アルコールやネット使用が止めにくい

これらが当てはまる場合は、心療内科/精神科の受診や、公的相談窓口の利用を検討してください。

心療内科でできること(安心の治療オプション)

  • 面接評価と鑑別(一次情報にもとづく丁寧な問診)
  • 心理療法:認知行動療法(CBT)、問題解決療法、マインドフルネス
  • 薬物療法:必要最小限、作用と副作用の説明のうえで共有意思決定
  • 休職・復職支援:産業医/EAP連携、リワークプログラム紹介
  • 併存リスクへの介入:睡眠衛生、依存傾向、生活リズムの調整
  • オンライン診療/カウンセリングの活用

よくある質問(FAQ)

Q1. SNSを完全にやめるべき?
A. 「ゼロにする」より「使い方を設計する」が現実的。ミュート・夜間制限・ホームの“情報ダイエット”で十分に効果が出ます。

Q2. 薬が怖いです。
A. すべての方に薬が必要なわけではありません。CBTや睡眠介入だけでよくなるケースも。薬が必要な場合は少量から開始し、副作用を小まめに確認します。

Q3. どのタイミングで受診すべき?
A. 2週間以上の不調、仕事や人間関係に支障、睡眠障害が続くなら相談を。早めの受診が回復を短くします。

Q4. 家族や職場にどう伝える?
A. 「症状」「困っていること」「助かる配慮」を短く。産業医/EAPの利用や診断書の活用も選択肢です。

Q5. 情報の信頼性はどう見分ける?
A. 公的機関や大学病院、専門学会の一次情報、医師や臨床心理士の監修記事を優先。誇大広告や体験談だけの過度な断定は要注意。

Q6. 子ども/学生のSNSが心配
A. 検索・視聴時間の合意形成、フィルタリング、寝室に端末を持ち込まない、相談先(スクールカウンセラー/児童相談)を共有しましょう。

すぐ相談したいとき(日本の主な窓口)

  • 緊急の危険がある場合は 110 または 119 へ。夜間・休日でもためらわず連絡を。
  • よりそいホットライン:0120-279-338(国内フリー。最新情報は公式サイトでご確認ください)
  • いのちの電話:0570-783-556(地域・時間帯により異なるため公式サイトで確認)
  • TELL Lifeline(英語対応を含む):公式サイトから最新の電話・チャット窓口をご確認ください

あなたは一人ではありません。つらさを言葉にするところから、回復は始まります。

医師からのメッセージ

検索は「知る力」ですが、弱っているときは刃にもなります。まずは眠るための環境を整え、からだとこころに休む許可を。情報は後からいくらでも取り戻せます。いま必要なのは安全と回復の土台づくり。どうか早めに相談してください。あなたの回復を、医療は一緒に支えられます。

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