誰にも話せない記憶に苦しんでいるあなたへ

~その痛みは、あなたのせいではありません~

なぜ、つらい記憶は心を苦しめ続けるのか

私たちの脳は、極端な恐怖や痛みを受けたとき、その出来事を「記憶」として深く刻みます。それが、日常生活に支障をきたすようなフラッシュバックや睡眠障害、不安感となって現れることがあります。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは

PTSDは、事故・災害・暴力・虐待などの強いストレス体験がきっかけで生じる精神疾患です。

主な症状:

  • フラッシュバック(記憶が突然よみがえる)
  • 過覚醒(眠れない・集中できない・音に敏感)
  • 回避(思い出す状況や場所を避ける)
  • 感情の麻痺(喜びや悲しみを感じにくい)

📚 引用文献
Yehuda R. (2002). Post-traumatic stress disorder. N Engl J Med, 346(2), 108-114.
PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11784878

よくある症状と生活への影響

・眠れない夜が続く
・心臓が急にドキドキする
・人混みや特定の音・光が怖い
・大切な人との関係がうまくいかない
・自分を責めてしまう

これらはすべて、心が「つらかった」と訴えているサインです。

心療内科でできる治療と支援

無理に話す必要はありません。あなたのペースで、私たちは耳を傾けます。

治療法の一例:

  • 認知行動療法(CBT)
  • EMDR(眼球運動による脱感作療法)
  • 薬物療法(必要に応じて)

📚 引用文献
Watts BV et al. (2013). Meta-analysis of the efficacy of treatments for posttraumatic stress disorder. J Clin Psychiatry, 74(6): e541–e550.
PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23842024

一歩踏み出すためのメッセージ

「話せないこと」よりも、「話せる場所がないこと」がつらいのです。

心療内科は、あなたの心を守るための場所です。
つらい記憶を癒すのは、医師やカウンセラーという“あなたを責めない人”の力かもしれません。

医師の言葉

「つらい記憶は、あなたが弱いから残っているのではありません。それほど強い痛みだったという“証”です。だからこそ、誰かの助けを借りてもいいのです。あなたが安心して過ごせる明日を、私たちは一緒に作っていきます。」

Translate »